lose faith
瞳真は考えていた‥このまま波音を社長と専務に会わせて良いのか‥彼女のさっきの態度から考えると会いたく無いと思っている?
だとしたら‥このまま社長室に向かうのはマズイ?…
『波音チャン‥チョット受け付けに寄って良いかな?』
『ハイ‥』
二人は役員用のエレベーターを一旦、一階で降りた。
エントランスを進み受け付けの前まで来る‐‐‐
瞳真は波音を見ると‥
『チョット待ってて‥』
そう言うと頷いた波音に笑いかけ頭をクシャッとしてから受け付けに向かって行った。
波音は、はにかんで俯いていた顔を上げ受け付けで話す瞳真の後ろ姿を見詰めていた‐‐‐
直ぐに波音は向けられる強い視線を感じて瞳真から視線を逸らし周りを見る‥
エントランス奥に在る来客用談話スペースに居る人‥
エレベーターを待つ人‥
沢山の視線が波音に向けられていた。
そして‥受け付けに居る人‥睨むような強い視線を向けられている…