Iの漂流戦士
┗心、各々
数十分後、
緑丘中学旧校舎にはパトカー5台、救急車が1台駆け付けた
緑丘中学は午後の授業を中止し、一斉下校が行われた
通報したのは正義ではない
殺人鬼03に言われた通り、正義は倉木と裕太を外に連れだした
そして急いで戻ると、草木を手入れしに来た緑丘中学の事務員によって宮田は発見された
裕太は何事もなかったかのように家に帰宅し、
倉木の様子がおかしかった為、正義の車の助手席に座らせた
バタンとドアを閉めた正義はまだ車には乗っていない
その後、クシャッと頭を抱えて車に寄りかかった
このままでいい訳がない
宮田を突き落としたのは間違いなく裕太
(それなのに…………)
殺人鬼03に罪を被せて見逃していい訳がなかった
“そいつの言う事は全部嘘だ!俺はまた明日からいじめられる…また明日から…”
正義はそれ以前の様子を見ていない
(でもその言葉から分かるようにきっとあの子はいじめられていた……)
殺人鬼が裁きに来てた時点でその事実は確実だ
(どうすれば…本当の事を警察に言うべきか…………)
ーーーーガタンッ
その時、正義の背中が微かに押された
車に寄り掛かっていた体を退かすと、助手席のドアが開く
そこにはまだ顔色が優(すぐ)れない倉木が居た
『だ、大丈夫ですか?』
倉木はゆっくりと外に出て、正義の目をじーっと見つめた
『……話がある、付いて来い』