Iの漂流戦士
正義は色々と迷ったが、隼人を自分の自宅に連れていく事にした
いくらボランティア団体だからと言っても、家に連れてくる事はまずあり得ない
トラブルの原因にもなるし、何せ相手は未成年だ
でも隼人をあのままにしておけないし、多分1日粘ったとしても何も語らないだろう
倉木も隼人を正義の自宅に連れていく事を反対しなかった
きっと少なからず、こうなる事を望んでいたのかもしれない
『今日はうちに泊まっていいから。とりあえずお風呂入っておいで』
狭くも広くもない正義のマンションで隼人は拾われた猫のようにキョロキョロとしていた
隼人は正義の事を不審がる様子もなく、お風呂に入った
シャー…とシャワーの音が鳴るのを確認して、正義ははぁ…とため息をつく
(…さて、これからどうしようかな…)
食卓の椅子に寄りかかり、タバコに火を付けた
正義自身、このような状況になったのは初めてで本当はすごく戸惑っていた
(……でも、俺以上に戸惑ってるのはあの子だよな)
正義は灰皿にタバコを押し付けて、椅子から腰を上げた
暫く経って隼人がお風呂から出てくると…テーブルにはオムライスと温かいスープが置いてあった