Iの漂流戦士






『つーかさ、戦士またやってくれたよね』


一人の生徒の言葉が耳に入った


(戦士………?)


『うん!これでうちの学校にも平和が訪れたって感じ?』


(平和……?)


『中野なんて死んで当然だよ。あの変態教師』


ーーーーーガシッ

気が付くと、正義はその女子生徒の肩を掴んでいた



『な…なんですか?』


不審者を見るような目付きで女子達が正義を見る

どうしてもこのまま見逃す訳にはいかなかった


それは中野政彦が殺されて“死んで当然”と言った事ではなく“戦士”という言葉



『あ…あの戦士って誰の事?』


たった今読んでいた“漂流戦士”

戦士なんて普段の会話で聞こえてくる単語ではない

これは偶然かそれとも……



女子達は正義の言葉にクスッと笑みを溢した


(………?)


『大人に分かる訳ないじゃん』

そう言って女子達は去っていった


この女子達だけではない


周りを通りすぎていく生徒全員がそう言ってるようにこちらを見ていた





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