Iの漂流戦士
“つーかさ、また戦士やってくれたよね”
確かに女子達は戦士と言った
誰の事?と正義は聞いたけど本当は分かっていた
『あれ?あなたは今朝の……』
正義の後ろで声がした。振り向くとそこには高木功の姿が
なんとなく何かが繋がる気がしていた
-----殺人鬼と高木功を結ぶ何かが
『少し話したいんだけどいいかな?』
意外にも正義の言葉に高木功は素直に返事をした
『はい。いいですよ』
それはなんの疑いもなく
正義はとりあえず高木功を車に乗せた
『別に話が出来ればどこでもいいんだけど、この辺にゆっくりできる場所はない?』
正義はシートベルトを締めながらサイドブレーキを下ろした
助手席に座る高木功はただ真っ直ぐ前だけを見つめている
『近くに八代公園がありますけど』
その言葉通り、正義は八代公園に向かう事にした
その間、車内では無言が続く
『……あのさ……』
その空気を破ったのは正義だ
『俺がこんな事言うのも説得力がないんだけど、簡単に知らない人の車に乗ったらダメだよ』
『あなたは知らない人じゃないです。今朝会いました』
高木功は容姿を含め真面目そのものなのに、なんだか言ってる事が少しずれている
あの小説が本当に実体験ならば中身は真面目ではないのかもしれない