Iの漂流戦士

┗決意、過去






【私立北徳春高校 駐車場】




早朝の静けさが残る車の中

一睡もしていない正義は、青白い顔をしていた


何度も何度も携帯で掲示板をチェックするが、時間帯や場所までは詳しく書かれていない


焦る気持ちを必死に押さえ、正義はある決意を固めていた


その決意とは殺人など絶対にさせないという事

そして二度と修達を殺人鬼にしない事


今まで正義は自ら彼らに関わり、深い所まで足を突っ込んできた


修、ナノハ、一馬

殺人鬼である3人と話し、殺人鬼ではない本当の素顔も知った


だからこそ正義の生徒である横川直輝に触れさせはしない


どちらも大切だからこそ、どちらも守ってみせる

それが正義の決意だった




--------コンコン。



その時、助手席の窓が叩かれた

その人物は白いジャージを着ていて、手にはコンビニの袋を持っていた



『く…倉木さん』


正義が声を出すと、倉木は助手席のドアを開けて車に乗り込んだ



『どうせ何も食ってないんだろ?』


倉木はそう言うと、袋からおにぎりとお茶を取り出した


『……倉木さん、どうしてここに?』





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