Iの漂流戦士
┗衝動、欠片
---------------------------
------------------
--------------
正義は現在、車内に居た
殿町で倉木に聞いた修の全て
正直まだ頭の整理が付かないし、どんな反応をしたら良かったのかも分からない
でも今までの事を思いだし、謎だらけだった修や倉木の行動や言動の意味が分かった
倉木は修の事を話した後、正義にこう言った
『俺も出来る事は全力でやる事にしたよ』
ずっと悩んでいた倉木の心に迷いはない
そんな倉木に背中を押されるように正義は車を走らせた
向かう場所は東和市岼根町
(またあの場所に行ってみよう…)
話を聞く前と後では、きっと見えてくる景色が違うはず
殿町から東和市までは車で1時間30分
辺りは日が沈み始め、目的地に到着する頃にはすっかり夕方になっていた
-----------バタンっ!
車のドアを勢いよく閉めて、正義の足はある場所で止まる
それは数時間前に見た修のアパート
このおんぼろアパートに修は居て、ここの201号室で父親を刺した
今は立ち入り禁止のテープが貼られて中に入る事は出来ないが、
間違いなく1年前に修はこの場所に居た
正義は倉木の話を聞いた時に思い出した事がある
それは1年前、こんなニュースが新聞やテレビで流れていた事
“東和市岼根町、息子が父親を刺し殺す”
それが修の事だったなんて、夢にも思わなかった