Iの漂流戦士
学校が終わり、正義は急ぐように車に乗った
向かう先は高木功が通う“睦八代高校”
目的地に到着すると、校門から帰宅する生徒達がたくさん見えた
正義は車を路肩に停めて、高木功が現れるのを待つ
暫くして、誰とも群れる事のない彼の姿を発見した
『-------高木君』
そう呼び掛けると、高木功はゆっくりと顔を上げた
高木功に動揺した様子はなく、相変わらず表情が読み取れない
『お久しぶりですね。星野さん』
正義は無意識にゴクンと唾を飲み込んだ
何故かいつも高木功と会うと妙な緊張感が身体に走る
たまに見せる冷たい目や、心の奥に潜む闇
あの3人とはまた別のオーラが確かに存在している
その後、場所を八代公園に移動した2人はベンチに腰かけていた
『…………』
『…………』
どちらもタイミングを見計らうように無言が続く
この沈黙を先に破ったのは高木功だった
『変わらないですね。俺に用があって会いに来るくせに話す言葉を今も頭の中で考えてる』
確かにその通りだ
いつも言いたい事の半分も言えず、結局和解出来ず終わってしまう