Iの漂流戦士





『はは、出会いがないのは本当だよ!みんな友達で全然恋愛に発展しないもん』


桜の言葉に長山洋太は笑って返した。笑うと少したれ目になり、見るからにいい人そうな雰囲気


『それより名前は?教えてよ』


部屋の割に人数が多いからか、隣に座ると距離はかなり近い。桜と洋太の肩は触れあうギリギリだった


『野々宮桜。桜でいいよ』


桜は実にスマートだ。人見知りしない性格はナノハとは真逆


『桜ね。俺も洋太でいいから。で、えーとそっちの子は何ちゃん?』

洋太の視線がナノハをとらえた。ナノハはこの雰囲気に馴染めず、借りてきた猫のよう


『この子はナノハ。人見知りだからいじめちゃダメだよ?』


何も言えないナノハの代わりに桜が自己紹介してくれた


『いじめないって!それよりめちゃくちゃ可愛くない?ハーフだよね?』


洋太の声に反応した他の男子達もナノハに注目している。ナノハは不安になり、とっさに桜の腕を掴んでしまった


『もう人見知りだって言ってんじゃん。ナノハは私達とは違うの』

『違うって言うか、別次元の可愛さ?見るからに育ちもいいよね。ナノハちゃん箱入り娘?』

『だーから、いじめないでってば!』


桜と洋太の笑い声がやけに響く。桜は持ち前の明るさでどんどん他の人とも馴染んでいった





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