Iの漂流戦士




一馬は今までの感情と共にボロボロと涙を流した。もう最後だから、

本当に最後だから--------。



『もしあの時死んでなかったら明日、明後日、もっともっと先の未来で会えたかもしれない。そしたらずっと一緒にいれました。僕はずっと修さん達と居たかったです』



叶うのなら大人になり、自然とこの命尽きるまで。そうであったならどんなに幸せな人生だっただろか?

だからこそ生まれ変わる為に、生まれ変われるようにこの場所から逝くべき場所へ




『………平気か?一人で。これから逝く所は天の国じゃないかもしれない。俺達は…………』


『そうですね。理由はどうあれ人を殺めたのは事実ですから。でも僕は大丈夫ですよ。もう大切なものを持ってますから』



恐怖はない、そんな感情ならもうとっくにどこかへ置いてきた



『僕は先に逝きます。忘れません、修さんに会えた事』


人生が二回あったのなら一度目は自分の為に、
二度目は誰かの為に、

この気持ちを教えてくれたのはこの人だった


一馬はそっと目を瞑ると、それは光りのように上空へと吸い込まれていく


さよなら、さよなら、さよなら、
忘れない、絶対に






『一馬、またな』


修が一言ぽつりと呟いた


守れない約束はしない。虚しくなるだけだから。でもこの出逢いが巡り合わせなら、



『--------はい、修さん』




一馬は笑顔でこの世界から消えた

もうその姿はどこにもない

そして同時に殺人鬼03ももうこの世から消え去ったのだった-----------。



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