Iの漂流戦士
【富江女子高等学校 校門前】
ナノハは修に背中を押されこの場所に来た。もう心に迷いはない
ナノハが確認したいのは裏庭の花壇
自ら植えた花がどうなっているのか、それがずっと気がかかりだった
-------------ドクン、ドクン。
もし花が枯れていてもそこになにもなくても、きっとこの場所に来たという事が重要なんだと思う。でも-----------。
“ナノハちゃん大丈夫だよ。きっと花はある。
君が植えた菜の花は花壇にあるよ。”
何故か正義の言葉を思い出した
根拠なんてないけれど、正義が言うならそうなんじゃないかって思える。本当に不思議な人
ナノハは呼吸を整えて、一歩踏み出した
もう自分はこの世界にいない人間だけど、ここに居た証。ナノハが生きたその証は……………。
『あ………………』
思わず口に手を当てた。心がまだ追い付いていないのに涙が止まらない
だってそこには、
裏庭の花壇には黄色い菜の花が一面に咲いていたから
『…………っ…』
ナノハはその場にしゃがみこみ、顔を覆った。嬉し涙なのか驚きの涙なのか分からない
本当は99%諦めていた
花は誰かが世話をしないと育たない
自分は花壇に種を植えてこの世を去ったから、枯れていても仕方ないと思っていた
それなのに------花はあの日から枯れる事なく咲き続けている。涙が止まらなかった