Iの漂流戦士
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日が暮れた道を街灯が照らしている。すれ違う人は会社帰りのサラリーマンばかり
そんな中に学生服を着た高木功が居た
勿論、学校はとっくに終わっている時間で高木功はわざと遅らせて家へと帰っていた
今日は謹慎明けの初登校だし、下校時には記者が待ち構えているかもしれない
それにやっぱり学校は居心地が悪くて、どうしてもみんなと同じ時間に帰ろうと思えなかった
もう優等生を演じる必要はないし、殺人鬼はきっと二度と現れない
今の高木功は空っぽに近い感覚だった
『------------功』
その時、自分を呼ぶ声がして振り返る
暗闇を照らす街灯の下にはナノハの姿があった
その顔を見た瞬間に、ナノハが何故ここに居るのか何故自分に会いに来たのかが分かった
『ナノハちゃん、どうしたの?』
分かっているのにわざと気付かないふりをした
『功に話があってきたよ』
ナノハは普段通りの笑顔だけど、それを直視する事ができない
『それって今じゃなきゃ駄目?』
心が完全に拒否している。どんどんどんどんみんなとの距離が遠くなって、独りへのカウントダウンが聞こえる
『うん。私にはもう今しか時間がないから』
----------------ドクン。
高木功の心臓が悲しく音をたてた