Iの漂流戦士





【同時刻 オフィスビル26階 屋上】





この場所で枝波 修は珍しく鼻唄を歌っていた。
それは寂しさを紛らわしてるようにも見える



“俺はここに居るから行ってこい”

そうカッコつけてから何時間経過しただろうか?



一馬も消え、そしてナノハもそろそろここへ来る頃だ


こうして殿(しんがり)の街を眺めていると1年前と何も変わってない

こんな時間だって言うのに昼間より騒がしくて、
行き場のない子ども達がたくさん居る

求めているのは繋がりかそれとも居場所か-----。


一つだけ分かるのは誰もこの街を愛していない事


本当は来たくないのにここしかないから訪れる。かつての修もそうだったように



誰が悪で誰が正義なのか。

少なくとも人を平気で傷つけられる人間はこの世界にはいらない

クズでゴミで悪魔な奴は消えるべきだと、本当は今も思ってる

戦士、殺人鬼、戦士、殺人鬼、戦士、殺人鬼


自分がこれからする選択は正しいのだろうか?

でもその前に修にはやらなきゃいけない事がある。それは---------------





『修、全部終わったよ』


そう、二人目の仲間ナノハを見送ってあげる事だ



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