Iの漂流戦士






『修、私ね……………………』


ナノハが何かをを言おうとした時、修がそれを遮った



『好きだよ、ナノハ』


修はナノハをじっと見つめ、優しく微笑む。その瞬間ナノハの目から大粒の涙が溢れた




『…………っ…私も修が好き。好きだよ………』



月明かりに照らされた二つの影が一つに重なった
。修の胸で泣くナノハを強く抱きしめる




『うん、知ってる。兄弟で同じ人を好きになるのは大変だってお前から教えてもらったよ』


修は冗談まじりにクスリと笑った。それにつられてナノハも笑う



『功も一馬もナノハを大切に想ってた。この意味が分かるか?』


『意味………………?』


ナノハは首を傾げて、修の目を見つめた




『だからもう自分を否定したり、孤独に怯えなくていいって事。みんなずっとナノハが好きなんだから』




“桜は私の事嫌いだった?”

“ごめん。好きと思った事は一度もない。だからきっと嫌いだったんだと思う”



好きだと思ってた人に嫌いと言われて、自分は誰にも必要とされてないと感じた

孤独でひとりぼっちで自分自身が大嫌いで、誰かが離れていく事が怖かった


ナノハにとって重要だったのはそんな過去と決別する事ではなく、本当は----------------。





『ナノハ、自分の事好きか?』


修のその言葉に心が晴れたような感覚になった







『----------------------------大好き』



ナノハは満面の笑顔を浮かべて、空へと消えた


それはキラキラとまるで満月に吸い込まれるように



殺人鬼02改め、杉本ナノハはこの日逝くべき場所へと行った---------------。






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