ココア
卒業後の仲間内の集まりも、仕事や他の仲間が出来ていったりして、段々機会が減っていくものだ。
西原くんも、いつの間にか顔を見せなくなっていた。
もう、最後に西原くんに会ったのは三年近く前になる。
今。
私たちは、26歳になっていた。
そんな彼からの突然の電話。
私は無意識のうちに、ケータイを強く握りしめていた。
大好きだった人の声が聞こえてくる、この小さな機械をぎゅっと強く。
大好きだった人、という表現は少し違う気もするけれど。