ココア



とりあえず、顔を洗い着替えを済ませる。


履き慣れてるジーンズに、外の寒さを考え、ちょっと厚めのパーカーを羽織った。


湿布をしたままじゃ、さすがに会えない。


腫れぼったい目は前髪で、頬はストールに埋めてごまかそう。



メイクもナシ、普段着の私のままで会いに行くことにした。


何故か、そうしたかった。


西原くんに、きっと何かを、私を、分かって欲しかったのかもしれない。


彼が何しに来るのかは分からなかったけれど。

きっと私のために来てくれるんだ、という根拠のない自信がなぜかあった。


いや、それは寝ぼけたままで、正常に頭が働いてなかったからかもしれない。





7時40分を過ぎた頃、またケータイが震え始めた。





< 100 / 247 >

この作品をシェア

pagetop