ココア
とりあえず、顔を洗い着替えを済ませる。
履き慣れてるジーンズに、外の寒さを考え、ちょっと厚めのパーカーを羽織った。
湿布をしたままじゃ、さすがに会えない。
腫れぼったい目は前髪で、頬はストールに埋めてごまかそう。
メイクもナシ、普段着の私のままで会いに行くことにした。
何故か、そうしたかった。
西原くんに、きっと何かを、私を、分かって欲しかったのかもしれない。
彼が何しに来るのかは分からなかったけれど。
きっと私のために来てくれるんだ、という根拠のない自信がなぜかあった。
いや、それは寝ぼけたままで、正常に頭が働いてなかったからかもしれない。
7時40分を過ぎた頃、またケータイが震え始めた。