ココア



「お前、親父さんに愛されてんだな」



「…ちょっと、もう…泣かさないで、よ」


「良く我慢してきまちたね、もう泣いてもいいんでちゅよ」


わざとおどけて私の頭を撫でる西原くんの手に、涙を堪える限界がきた。


「…ぅぅ…っ。ぅぁぁ…ん。ぅぅぅ……っっ」



太陽が辺りを暖めて、その光をキラキラと反射させる海。


その中にいる私たち。


西原くんの胸で泣く私。


私より少し高い彼の肩におでこを寄せ、切なさと安心感を同時に覚える。



トクトクトクトク、
と速まる鼓動。


ありがとう。

心に溜まった毒を吐き出させてくれて─



ありがとう


私、あなたのことが大好きです─







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