ココア
でも、将来の目標を決めたのだから喜ばしいことに違いない。
「そっか。応援してるよ、素敵な目標だね」
「ありがと」
そう言った西原くんの笑顔は、私まで泣きたくなるくらい悲しい顔に見えた。
時々見せるその表情の意味を、私には言ってくれないの…かな。
だって、私たち“トモダチ”なんでしょう?
私の苦しみを楽にしてくれたんだから、私だって楽にしてあげたいのに。
でも─、今は待とう。
きっと、人には時期がある。
その時に役に立てる私でいよう。
「やっぱ、ここの海を見ると落ち着くな」
「うん」
遠い目でそう言う西原くんを、見ないように頷いた。