ココア



恵美は、人の本質を見抜く力が長けている気がする。


西原くんとも付き合いが長い。


そんな恵美が言うのだから、少し自惚れても…いいのだろうか。


─でも、やっぱり自信なんか全く持てない。


想いを打ち明けて、今の関係が壊れてしまうことが怖い。

とても、とても、怖い。



「西原が麻梨を気に入ってることは、確かだと思うけどね」


「ね、メグ。それとなく西原くんに探り入れてくれないかなぁ?」


「無理だと思うよ」


「メグになら話すかも」


「麻梨だって知ってるでしょ?西原、そういうの絶対教えてくれないよ」


「んー、そう、だね」


のらりくらりとはぐらかす西原くんが、容易に想像出来る。



「はあぁぁぁ」


思わず、大きな溜息が零れた。





< 126 / 247 >

この作品をシェア

pagetop