ココア
「寒―いっ!」
職場を出て、駅までの道のりを萌と歩く。
11月も半ばを過ぎると、だいぶ寒くなってくる。
もう冬、なのだ。
「はぁ、今日は疲れたぁ~」
「う、、、ごめん」
「ははは、イジメ過ぎ?ウソウソ、気にしてないって」
カラリと笑ってくれる萌に、恵美とは違う意味で、随分と支えられている。
西原くんのことも、恵美と萌にしか話していない。
「ね、ね。久しぶりに飲み会行かない?」
「だから、私そういうの苦手なんだって」
「ダイジョーブ、今回は少人数だから」
「そういう問題じゃないってば」
「ニシハラくんがいるから?でもさ、諦めた方がいいと思う。…ごめん、こんなこと言って」
「ううん、いいよ。私、萌のそういうとこ、好き」
この飲み会の話も、きっと私のために萌がまとめてきてくれたんだろう。
その気持ちが嬉しかった。