ココア



ようやく彼への想いに辿り着けたのに、また諦めなければならないのだろうか。


彼の優しさを知ってしまった今、諦めるなんて出来ない気がする。


でも、だからといって…。



グルグルグルグルと、いろんな想いが胸を揺さぶる。


「もう少し…、考えてみるよ」

行き着いた答えは、結局ソレだった。



「萌の方こそ、どうなの?佐久間さんのこと」


「あ、、、いやぁ、うん。どうしようかねぇ」


自分のことになると、途端に情けない顔になる萌。

でも、人を好きになるとそうなってしまうのかもしれない。



「なかなか上手くいかんもんですな」


茶化すような口調で言っているけれど、萌の心の中もグルグル渦巻いてるんだと思う。



私たちは、いつになったら成長出来るのだろう。






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