ココア

たぶん、３年ぶりに会ったあの日から、少し感じていた。


何か、きっと抱えてる、と。



「後悔、ばっかりなんだ。ああしてあげれば良かった、こうしてあげれば良かった。
数え上げたらキリがないよ」


後悔─。

抱えきれないほどの後悔を、その胸に一人でしまって、たの？


「病気のことだって…どうしてもっと早く気づいてあげられなかったのかな、俺」


彼の目からは、堰を切ったように涙が溢れ出す。

私は、それを受け止めたい。

それが出来ないのなら、
せめて、見守りたい。


「プロポーズだって、俺の気持ちを満たすためだけに言ったんだ。
出来るだけのことをした、て自分に言い訳したかったから。
陽子は、気づいてたんだろうな。
だから、頷いてくれなかった」