ココア
そんな彼の笑い声を聞いて、胸が詰まった。
胸が詰まって、苦しくて苦しくて─
その苦しさを飲み込んだら、目からホロリと涙が落ちた。
「西原くん、消えたいとか…言わないで。
西原くんがいなくなったら、私イヤだ。
イヤだよ、絶対……いや…っ」
「泣くなって」
「…だって……っ…─ぅっ」
雨の音がまた、この部屋を満たす。
でも今は、沈黙を和らげてくれるような気がして雨もイヤじゃない。
「─たぶんさ。俺、ずっと倉野に打ち明けたかったのかもしれない」
「え…?」
ふっ、とすごく柔らかな目で私を見る。
きゅぅ、と心の奥が泣いた気がした。