ココア



私と西原くんが初めて会ったのは、15歳の春。


高校に入学したばかりの頃だった。


志望校に落ち、仲が良かった友達ともみんな離れ離れになり、人見知りな15歳の私にはかなりツラい環境にいた。


4月も終わり頃になると、教室内では仲のいいグループで固まるようになる。


そんな中。

私一人なかなかクラスに馴染めず、自分の境遇に落ち込むばかりの毎日。


ある日の朝、どうしても学校に行く気にはなれず、学校から少し離れたところに小さな公園を見つけた。

それから、そこで時々時間を潰すようになっていた。


桜の木が淡い緑色の葉で染まる頃。


その公園で彼に出会った。





< 19 / 247 >

この作品をシェア

pagetop