ココア
私と西原くんが初めて会ったのは、15歳の春。
高校に入学したばかりの頃だった。
志望校に落ち、仲が良かった友達ともみんな離れ離れになり、人見知りな15歳の私にはかなりツラい環境にいた。
4月も終わり頃になると、教室内では仲のいいグループで固まるようになる。
そんな中。
私一人なかなかクラスに馴染めず、自分の境遇に落ち込むばかりの毎日。
ある日の朝、どうしても学校に行く気にはなれず、学校から少し離れたところに小さな公園を見つけた。
それから、そこで時々時間を潰すようになっていた。
桜の木が淡い緑色の葉で染まる頃。
その公園で彼に出会った。