ココア



驚いた目を真っ直ぐに私に向けている。


「私がなる」

「…ん?」

「私が親友になるよ」





─あ、あれ?

いいの、かな

気持ちを伝えようと想ったら、こんな言葉だった。

でも、いい。

彼にとって必要な存在になりたい。

どうしても。


「…男と女じゃ無理じゃね?」

「無理じゃないよ」

あくまで真剣に答える。


少しの間が空く。

彼の心が揺れている、のだろうか。


「無理じゃ、ないかな。ほんとに」

「ぅ、、、分かんないけど…」


ハハッと思わず彼が吹き出した。

「何だよー、そこは自信持って大丈夫だって言えよ」

そう言って、私のおでこをペチペチと叩く。


その笑う彼の顔を、そばで見ていられるのなら─

泣ける場所でいられるのなら─

適度に甘く、温かな場所でいられるのなら─


「うん、大丈夫。
無理じゃないよ」


私は自信を持って、そう答えた。





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