ココア



「─っくしゅ」

立て続けにくしゃみをした西原くんに、シャワーを浴びてもらうことにした。

彼の着ている服はびしょ濡れだったし。


濡れた服をストーブの前に置いて乾かしてると、西原くんが出てきた。


「やっぱ、お前のじゃ小さいよ」

「それしかないんだもん、しょうがないでしょ」


私のスウェットを渋々着ている。

細く見えても、やっぱり男の人の体。

パツパツでとても窮屈そうに見えた。


「倉野、明日仕事?」

「うん。西原くんは?」

「俺は休み。で、何時起き?」

「6時かな」

「わ、マジ?俺、起きれるかな」

「いいよ、寝てて。鍵、玄関のポストに入れといてくれればいいから。も一個鍵あるし」


そう言って、もう一個の鍵を西原くんに手渡した。





< 192 / 247 >

この作品をシェア

pagetop