ココア



手にはドラッグストアの黄色い袋を提げている。


「気持ちは、嬉しいけど…うつっちゃうよ」

「いいから寝てろ。飯だけ作ったら帰るから。台所、借りるぞ?」


さっきより足がふらつく。

体温計を探しだし、計ってみたら40℃近い。


「熱、どのくらいあんの?」

「39.7℃…だった」

「マジかよ、薬、飲んだのか?」

「…ん、まだ…」

ガチャガチャと何かを探す音が聞こえ、水を入れたコップを持った西原くんがベッドサイドに膝をついていた。


「体起こせるか?薬は?」

「そこ…の、カバンの中に…」

「開けるぞ?」


そして、私の手の中にコロンとカプセルを出すとコップを握らせた。

私はというと、

キレイな指─熱にやられた頭でそんなことをぼんやりと考えていた。





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