ココア
気がつくと、カーテンの隙間から眩しい光が射し込んでいる。
時間の感覚が分からず、ベッドサイドの時計を手繰り寄せる。
「7時、半か。そっか、職場は行けないんだった」
熱は37.7℃まで下がっていた。
体も随分と楽になっている。
喉の渇きを覚え、キッチンに向かった。
ガスコンロの上の小さな鍋に、お粥がある。
冷蔵庫の中には、プリンやらゼリーやらスポーツドリンクがごちゃごちゃと置かれている。
─西原くんが居てくれたこと、夢じゃなかった
彼が買ってきてくれていたスポーツドリンクを持ってベッドに戻った。
ひんやりとしたペットボトルの感触が気持ちよくて、頬にあてる。
どうして、西原くんは来てくれたのだろう。