ココア
たぶん、恵美が彼に言ったのだろう。
そうだとしても。
彼の存在がどんどん大きくて、近いものに感じられて…。
私は“好き”という感情を、うまく抑えられるのだろうか。
いつか…、
いつか、あの指を腕を、愛情で求めてしまう気がしてならない。
そこまで考えて小さく首を振る。
【親友】
彼がようやく深く暗い胸の内を打ち明けてくれたのだから。
私は彼の親友でいることを決めたのだから。
インフルエンザもすっかり良くなり、12月を迎えた私の職場は忙しさがピークを迎えていた。
食品売場としては、年末の売り出しは勝負の一つ。
西原くんとは、たまのメールのやりとりはしていても、会う暇がなかった。