ココア



陽子さん─


亡くなってしまったあなたに、こんなことを言っていいのか分からないけれど



あなたが羨ましい


羨ましくて、羨ましくて、どうにかなってしまいそうな程



西原くんは今でも、あなたを愛しています



ボロボロになるほど、あなただけを愛しているんです


あなたと暮らしたこの部屋で、

あなたとの思い出や、
あなたのカケラに囲まれたこの部屋で、


あなただけを想って生きてきたのです



私はあなたにはなれない

だけど、彼の大事な存在になりたい

“恋人”ではなく“親友 ”でいい



この部屋から一歩踏み出す彼を、どうか見守ってあげてて下さい


こんなお願い、失礼なのかもしれないけれど



彼は、生きている


だから、

死んだように生きて欲しくないから



どうか、彼のこれからを見守ってあげてて下さい……





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