ココア
「だから、麻梨のことはどう思ってるの?」
「どう、て。何回も言ってんじゃん。友達だって」
「友達、だけ?」
「そりゃぁ、まあ、友達というか…親友、だな」
「あっそ」
「あっそ、てお前な。恥ずかしいけど、聞かれたんだから、ちゃんと答えてんのに」
「あんた、彼女作んなよ。マジで」
「何だよ、急に。だから、そんな気には…」
「前に一歩、進んだんじゃなかったの?!色々あるのは分かるけど、その方がお互いの為だよ」
「お互いって…。誰と誰のこと?」
「あー、もう、いいっ!バカっ!!」
「バカってなんだよ。あのなぁ、軽い気持ちでなんか、付き合えないだろ?」
「とにかく!麻梨を泣かさないでね。ホント、それだけは約束してね!!」
「分かってるよ。俺も、倉野はもう泣かせたくない。あいつには笑っててほしい。幸せでいてほしい」
「…西原って、こんなに鈍かったっけ」
私が帰った後、二人はそんな会話をしていた。