ココア



名前も知らない男の子がくれた、小さな四つ葉のクローバー。


それを綺麗に大切にしまった。


次の日。


クラスの中で、ずっと気になっていた子に、思い切って声をかけた。


回りの子より落ち着いていて大人びた雰囲気を持つその子は、私の小さな声を笑って受け入れてくれた。


それが恵美だった。



全てがうまくいった訳じゃない。


けれど、私は少しずつ回りを受け入れ、回りに受け入れられるようになった。


それからも、彼のくれた四つ葉のクローバーは、私にとって大切な勇気の欠片となる。


まさに、前に進むためのキッカケを与えてくれたのだ。





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