ココア



不器用な私の笑顔に、佐久間さんも安心したように笑う。


「よし、今日の夜ね。何人集まるかな~、俺みんなに声かけるね」


そう言うと、売場へと戻って行った。


正直、佐久間さんと二人じゃないことにホッとしてる私がいる。


そして、そんな自分が少し嫌になる。







その日の飲み会には、アルバイトや社員7人が集まった。


今日の今日で、これだけ集まるのだから、それは佐久間さんの人徳なんだろう。


私はビールをスローペースで飲む。


大勢の集まりは少し、いやかなり苦手だった。


そんな私を気遣うように、佐久間さんがいつも隣にいてくれる。



そう、佐久間さんはずっと見守っていてくれていた。





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