ココア
トイレに立った時にケータイを開いた。
青く点滅する光に、少しだけ胸が高まる。
─西原くん、だ─
心臓は、更に鼓動を早める。
画面に映し出される西原くんから届いた文字。
『お疲れさん。飯食いに行く話だけど、木曜日でOKです。時間と待ち合わせ場所はこの前と同じ、ていうのも了解』
短くぶっきらぼうな文章が、西原くんらしくて、つい笑ってしまう。
「麻梨ちゃん、次、行く?」
ふいに声をかけられ、思わず隠すようにケータイを閉じた。
佐久間さんだった。
「あ、今日は付き合います!」
慌てて付け足すように言う私に、佐久間さんは苦笑いをする。
「じゃぁ、付き合ってもらっちゃおうかな」