ココア



手を一度ぎゅっと握り、深く息を吸い込んでから私は佐久間さんを見た。



「あのね。佐久間さんの気持ち嬉しい。佐久間さんがずっと私の味方でいてくれたこと、も、スゴく嬉しい」



そう。

大切な存在の佐久間さんだからこそ、伝えなければいけない言葉が私にはある───



「でも」


意気地なしな私は、やっぱり佐久間さんの目を見て言えなくなってしまった。


キツく目を閉じ、その続きの言葉を言う。



「私ね、好きな人が……


「待って!」





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