ココア
佐久間さんの姿は【私】だ。
だから、彼の言葉も表情も、私を苦しくさせる。
私も同じ。
ずっと気持ちを伝えず曖昧なままにして、【友達】という言葉に逃げていた。
会えなくなるのが、
繋がりが途切れてしまうのが、
怖い。
すごく、怖い。
大袈裟な表現なんかじゃなくて、耐えられないことだった。
「情けないよな」
と何度も繰り返し呟く佐久間さんに、
「そんなことない、そんなことないです」
と、私も何度も首を振った。
佐久間さんの気持ちが、苦しいほど分かる。
分かってしまうから。
そういう風に言ってる佐久間さん自身も、きっと辛い。
私たちは、おんなじ想いを持つ者同士なのかもしれない。
「明日からも、普通に今まで通りに、、、ずっとこのまま…。俺って情けねえなぁ」
そう言った彼の表情を、きっと私は忘れることが出来ない気がした。