ココア



ふ、と時計に目をやると、午前2時を少し過ぎていた。



このままずっと声を聞いていたいけれど、そんなわけにはいかない。



「ごめん、2時過ぎちゃったね。西原くん眠いでしょ」


「や、平気」



きっと嘘。

眠いはず。

元々寝てるところを起こしてしまったんだし。



「倉野」


「ん?」


「大丈夫か?」



  ─ドクン─



くらり、と目眩さえするような気持ちの揺れが訪れる。


そしてその揺れは、痛みを連れてくる。



全てを話してしまいたくなった。


私が誰にも言えなかったこと、泣けなかったこと。



泣いて、泣いて

その手で頭を撫でてもらって、



西原くんに聞いて欲しくなった。





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