センパイ、頑張って!
「ここだよ―。」

そう言って手を挙げる隣の男。


「うちの春ちゃんはもっとかわいい感じの子なんで。

てゆうか、あなたも春ちゃんなんですか?」


事情を知らない太一にしては、当たり前の反応だ。


だって、あの可愛い系だった山田が、

髪が茶髪でワックスかなにかで男っぽくなってて、

服も黒の男物のジャケットとブーツを履いてて、

腕や首にはにはいかにもインテリ風のアクセをつけて、

黒ぶちのメガネをかけている。



どっからどう見ても男だ。


しかも、ここにいる男の中じゃダントツでかっこいい。


なんか俺立場ね―…。


つっても他の奴らも変わんねぇけどさ。


新谷さんが言うには山田の素質らしいし。

確かにアイツ、男っぽいとこあるもんな―。
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