愛の直球勝負
【綾】


ぎこちない歩き方をしている剛くんはまるで壊れかけのロボットみたいだった。


「大丈夫?」


「全...然っ...、平…気...だ...よ」


そう言いながらも笑顔は引きつっていて、痛いのを我慢していた。


私は好奇心で剛くんの太ももを軽く叩いてみた。すると、


「痛って~!!」


と言って剛くんはうずくまってしまった。


「何すんだよ!!!」


と少々怒り気味だった。


「ごめんごめん。何だか我慢していたみたいだからどれぐらい痛いのかなと思って」


「だからって足を叩くことはないだろ~」


痛そうな顔をしていた剛くんに私は手を差し伸べた。


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