ただ、ひたすらに。
あたしが何を捨てても夢中になるものがバスケット。
勉強よりバスケ。
ご飯よりバスケ。
寝ることよりバスケ。
……恋よりもちろんバスケ。
それがあたしだった。
「まーなっ!!」
心地よい風が吹いたかと思うと、誰かがあたしを呼ぶ。
振り返ると太陽と負けないくらい、輝いてる少女が立っている。
可愛らしい笑顔でブンブンと手を振るのは、浅見詩織(アサミシオリ)。
あたしと同じバスケ部、同じクラスの、親友。