そして優しい嘘を言葉に
「だから以前から言ってるだろ? おまえは無防備過ぎるんだって」


「だって、まさか、章弘先輩から告白されるなんて、思ってなかったんだもん」


「普通、分かるだろ? こんな誰も来ない体育館の裏に呼び出されたら」


「……章弘先輩にも言われた、『卒業式の日に、このシチュエーション……普通は気が付きそうなんだけど』って」



涼が、『はぁ』ってため息をついた。



「おまえが考えてる以上に、おまえを狙っている男はたくさんいるんだよ! もう絶対、男と2人きりになんかなるなよ!」


「でも」


「今回は章弘だったから『抱き締めた』位で終わったけど、そうじゃなかったら、どうすんだ? 何かあって傷付くのはおまえなんだぞ? それに、おまえにもしも何かあったら……俺だって冷静でいられない」

< 125 / 430 >

この作品をシェア

pagetop