そして優しい嘘を言葉に
私はやっと涼の方を見た。

視線がぶつかる。



「伊藤から、『美雪なら章弘先輩に呼び出されて、体育館の裏の方に行きましたよ』って聞かされた時、マジで心臓止まるかと思ったよ」

「あの……ごめんなさい」



涼がそこまで心配してくれてたなんて知らなかったから、素直に謝った。



「まぁ、今回は俺もおまえも、あいつの大きな愛に感謝しなくちゃな」



……えっ?

涼の表情が怒っていたのから、柔らかい微笑みになった。

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