そして優しい嘘を言葉に
「なんだか分からないけど、試験、頑張る」

その言葉を聞いて、涼がクスッと笑った。



「おまえはご褒美が無いと、勉強出来ないのかよ、ったく」

「そんな事無いよ! 試験前だからって、涼の部屋に『立入禁止』にされたから、頑張っていい成績取って、今度から試験前でも『来ていい』って言われるようにしよう……って思ってたんだから」



あっ、マズイ!

私の言葉で、涼の表情が変わった。

涼の『悪戯っ子モード』のスイッチが入ったみたい。



「ふ~ん……学校で毎日会ってたのに、俺の家に来ても会いたかったんだ? どうして?」



ニコニコしながら、私の顔を覗き込む涼って……絶対、ドS!


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