そして優しい嘘を言葉に
そんなの、言わなくても分かってるでしょ?

今だって、こうして話しているのを『誰かに聞かれたらどうしよう?』って、ヒヤヒヤしているんだから……。

私達が安心して話せる場所って、涼の部屋しかないんだから……。



こうなったら、言ってやる!

絶対、涼が照れるような事、言ってやる!



「だって、今はこんな場所だからいいかもしれないけど……いつも学校で会ってるのは『沖野先生』なんだもん。私が会いたかったのは、『涼』だから……みんなの『沖野先生』じゃなくて、私だけの『涼』に会いたかったの」



恥ずかしい。

でも……。

ホントの気持ち。

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