そして優しい嘘を言葉に

夏休み明けに涼と再会して、お互いの気持ちを再確認しあって付き合う覚悟をした後、涼は『自分の親友』として改めて大村さんを紹介してくれた。

その理由が、今なら分かるような気がする。



『涼との事は誰にも話せない』……そう自分の中に溜め込んでしまうタイプの私が、『涼との事は大村さんに話せる』と思うと、気持ちが楽になるからだよね、きっと。

多分、涼のそんな気持ちは大村さんも分かっていて、私のいろいろな話を聞いてくれるんだと思う。



「大村さん、涼には旅行の事、いつ話すんですか？」

『んー……当日？』

「えっ？　でも、それってあんまりなんじゃ……」



だって、２泊３日でしょ？