そして優しい嘘を言葉に
いつもは、『はいはい、分かりました』って私が呆れる位、若本先輩と一緒になって私に絡んでくるのに……今日は1度もそう言う事が無い。

あっ、若本先輩は祥くんと一緒になって、私に声を掛けては来るんだけど……。



どうも様子を見ていると、登先輩は隆志先輩に、無理に連れて来られた感じがする。

現に今、滑る気が無い私と真実は私服に防寒着で、ウェアまで着ていないんだけど……登先輩もそうだった。



滑る気マンマンのみんなは、ワイワイガヤガヤ各自の準備を始めた。



「淳とスキー場に来るなんて、子供の頃以来だね~」

「だよな? 弥生、昔は曲がれなくて泣いてたけど、今は大丈夫なんだろ?」

「うるさいなぁ、いくつの時の話してるのよっ」



イトコ同士で、子供の頃に家族ぐるみでスキーに行っていたと言う弥生ちゃんと若本先輩は、相変わらず姉弟のような会話をしていた。

< 165 / 430 >

この作品をシェア

pagetop