そして優しい嘘を言葉に
「祥くん、自分の板を持っているって事は、スキー得意なの?」

「まぁ、兄貴や俊夫さん程じゃないですけど……希未さんは?」

「私はとりあえず、基本のポーズで滑るだけなら出来るかな……ってレベル」



こちらは初対面の筈なのに、すっかり昔からの知り合いのような祥くんと希未。



「沖野先生と俊夫さんって、スキーがプロ級ってホントですか?」

「祥が言ったのか? まぁ、人に教える事が出来る位には滑れるぞ?」

「とかなんとか謙遜していて、いざ滑り始めたら、みんなの視線を集めたりするんだぞ、涼の場合」



お兄ちゃんと涼と大村さんが、そんな会話をしていた。



そして。



ちょっと離れた所で、隆志先輩と登先輩がなんか話している。

と言うより……隆志先輩が不機嫌そうな登先輩を、なだめているような感じがする。

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