そして優しい嘘を言葉に
「スキー組のメンバーは、そろそろ行くぞ~」

大村さんがそう告げた。



その言葉に、これまた意外な返事が聞こえた。



「あっ、すみません。俺も今日は滑らないんで、みんなで行って来て下さい」

隆志先輩がそう言った。



その言葉に登先輩は、珍しくムッとした表情になった。



「なんだよ! 兄貴は行けばいいだろ?」

そう言い残すと、登先輩はみんなの輪から外れて、1人でスキー場のレストランや売店がある建物の方へ歩いて行った。



「みんな、ごめん。楽しんで来て」

登先輩の様子に、隆志先輩が苦笑いでみんなに謝ると、慌てて登先輩を追って行った。

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