そして優しい嘘を言葉に
えっ? トラウマ?

私はその言葉に、とっさに自分のトラウマである、夏の海を思い出した。



「今回、隆志先輩と俺が言葉巧みに誘導して、なんとかあいつを引っ張って来たけど……あの様子だと、隆志先輩とケンカになりそうだからさぁ……2人が居れば、さすがに登も大人しくしてると思うから、よろしく」

そう言って、若本先輩は私達に軽く頭を下げた。



「うん、分かりました」

「任せて下さい」

事情は分からないけど、さっきの田村兄弟の言動を見て、若本先輩の話を聞くと……私も真実もそう言ってしまうよね。

< 169 / 430 >

この作品をシェア

pagetop