そして優しい嘘を言葉に
やっぱり、何処か遠くへ行くのかなぁ?

きっと『淋しい』って私が言ったら、涼は続きが言えなくなるよね?



「大丈夫だよ。涼が別の学校に行っても、こうして時々会えるし」



うん、大丈夫。

自分に言い聞かせる。



「あっ、それにね、涼が違う学校に行く事になったら、希未と真実に私達の事を話そうかと思っていたの……いいよね?」

「……ああ……」



あ、れっ?



涼は短くそう返事をすると、私から離れて隣の部屋に戻り、また机に向かって何か仕事をし始めた。

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